2020年ふりかえり

今年はなかなかハードな年でした。
1月2月と売上は昨対140%ほどで推移し順調にスタートをきったのですが
2月末に休校がはじまり、3月から本格的にコロナの影響が出はじめました。

いこーよがメイン事業の当社はここ数年、3~8月の春休み・GW・夏休みの6か月間で1億円以上の黒字をあげ、9月~2月の6か月で投資を行い、黒字幅を調整していました。
今年もまさに2月まで積極投資を行い、キャッシュ的に一番少なくなったタイミングでコロナ禍に突入してしまいました。

3月時点では、夏休みには回復してくるのかなぁくらいに捉えていたのですが、日に日に状況が悪化し、6月の時点で『最悪の事を考えて動いた方がいい』と決断しました。
雇用を守りきった経営者もいる中、恥ずかしながら私にはその実力がなく、6月には希望退職を募り、外注や業務委託なども見直し、オフィスの移転も決め、徹底的にコストを抑える動きにでました。
これによって一緒にサービスを、会社を、創ってきてくれたメンバーが20名近く去っていくことになりました。
さらに、一人ひとり役割の拡大や配置転換をお願いし、大きく組織変更も行い、私なりにコロナ禍を乗り越える体制に舵を切りました。

この一連の行動は、これまで一緒に会社・サービスを創ってきたメンバーに対して本当にひどい所業であり、本当に本当に申し訳ない限りでした。
まぁまぁメンタルは強い方だと自負している自分も、この時期はなかなかきつかったです。会社や自分自身の存在意義についても考えさせられる日々でした。

しばらく悶々としましたが、
『何とかみんなが創ってきた価値を未来に残し、再びその価値を増大させるために、どうすればいいか考えて、自分なりに最善を尽くすしかない。その結果どうなろうがそれが実力だし、受け入れるしかない。精一杯やるだけ。』
という結論に至りました。

コスト削減と同時に三井住友銀行、日本政策金融公庫さんにお世話になり一旦可能な限り借り入れを行いました。
元々黒字経営で、純資産も順調に増やしてきていたこともあり、コロナ前の財務体質を高く評価していただけ、7月に数億円の借り入れが出来ました。
とはいえ思った以上に市況が回復しないまま夏休みも過ぎ、まだまだコロナ禍が長引くと感じたので、無理を承知で8月末から追加借り入れに動きました。
両行の担当者さんが、本当に必死になって当社の未来を考えてくださり、応援してくださって、7月に数億借り入れたばかりの会社に、資本制劣後ローンの座組で追加融資を行ってくれました。本当にありがたかったです。
なんとかこの追加融資によって、中期の経営計画が立てられる状態となりました。

実力不足で、手を伸ばせば闇を這うだけ、という感じの事を繰り返し、妥協しそうになった時期もありました。
しかし、残ったメンバーが色々な葛藤を抱えつつも、必死に未来を創る為に、考え行動してくれたおかげで前を向けました。
また、退職を選んだメンバーも転職先から広告を出稿してくれたり、それぞれの形で応援してくれました。前出の両銀行担当者さんや技術顧問などなど外部メンバーも力強い協力をくださるなど、本当に多くの方々に支えられました。

弊社は元来、何が儲かるか?ではなく、『次世代にどんな価値を残せるか』を動機にして事業を追求してきました。
コロナ禍で、色々と考えさせられましたが、結局行きついたところは同じでした。

くしくも今年、国は多方面で補償を行い、莫大な金額の借金返済が次世代に課せられました。
私たちも雇用調整助成金などで助けられており、次世代に対して申し訳ないことをしたと思っています。
国の政策、マスコミの報道に対して、個人的には思うことは多々あります。
しかし、それを非難、批判するだけでは何も変わりません。
私たちは事業を通して、サービスを通して未来に貢献し、未来をいい方向へ変えていくしかないと考えています。

まだまだ先行きは不透明でありますが、必ずこの状況を乗り越え、コロナ前とは比べ物にならない素晴らしい価値を産み出す強い企業に成長していきます。
現実としてこうなった以上やることはひとつ。
「この経験があったから自分も会社も成長できた、本当にいい機会だった。」と言える未来を創る一択です。 必ずそうします。

たくさんご迷惑をおかけしましたが、必ず恩返しさせていただくつもりです。
コロナ関係なく自分の甘さや反省すべき点も多々あり、それに気づけた年でもあったので、それらもひっくるめて、来年からまたしっかり歩を進めていきます。

一年間ありがとうございました。
また来年もよろしくお願いします。