国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」を運営するアクトインディ株式会社(東京都港区 代表取締役:下元敬道 以下、アクトインディ)は、神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会組織委員会からの委託に基づき、2023年4月30日(日)に開催された「WPA公認 第34回日本パラ陸上競技選手権大会」において、「子ども記者のパラアスリート取材」の企画・運営を担当し、子どもの未来を考える子育てサイト「未来へいこーよ(https://future.iko-yo.net/)」にてインタビュー記事を公開しました。
(本リリースは、「子ども記者団」のインタビュー記事を一部抜粋したものになります。全文はこちら https://future.iko-yo.net/interview/27653/ )
小学3年生~5年生の子どもたちによる「子ども記者団」が、日本パラ陸上(りくじょう)のトップアスリートたちが集う大会を取材! 7名のパラ陸上のアスリートに行った、インタビューをまとめておとどけします。
※小学生でも読みやすいよう、ふだんの記事よりも漢字を少なくしてあります。ご了承ください。
子ども記者団とは?
神戸2024世界パラ陸上きょうぎ選手権大会を盛り上げるため、兵庫県神戸市などの小学3年生から5年生までの4人の小学生で結成されたのが「子ども記者団」です。今回はパリ2023世界パラ陸上きょうぎ選手権大会の出場者が決まる大会「WPA公認 第34回 日本パラ陸上きょうぎ選手権大会(主催:一般社団法人日本パラ陸上きょうぎ連盟)」を取材。子ども記者は、事前にオンライン打ち合わせを2回行い、パラ陸上のアスリートにどんな質問をするのかをプロの記者と一緒に考えます。大会当日はきょうぎを実際に観戦し、きょうぎを終えたアスリートに自らインタビュー取材も行いました。
パラ陸上のクラスとは?
ひと口に障がいといっても、腕や脚・目・耳など、障がいのある部位や種類はさまざまです。同じ障がいでも、その大きさは人によって異なります。そこで、それぞれの障がいがきょうぎに及ぼすえいきょうをできるだけ小さくして、平等に競い合えるように「クラス」で分けています。
パラ陸上きょうぎについて、くわしく知りたい方は「パラ陸上きょうぎ公式ガイド(PDF)https://para-ath.org/pdf/top/guidebook.pdf」をご覧ください。
【前川 楓(まえがわ かえで)選手】走り幅とび T63
まえがわ選手は、右足のふとももを切断して義足を使う「T63」クラスで、100mと走り幅とびをする選手です。2016年のリオデジャネイロパラリンピックでは走り幅とびで4位、100mで7位に入賞。2017年のロンドン世界パラ陸上では走り幅とびで銀メダル、東京パラリンピックでも走り幅とびで5位入賞と世界でかつやくしています。
じつは、まえがわ選手は別の選手の取材を待っている間に特別に声をかけていただき取材が実現しました。まえがわ選手がとんでいる様子を見ていたので、その感想を伝えることからインタビューがスタートしています。取材を担当したのは、おおしま かなみ記者と、きのした こうき記者です。
子ども記者団スタッフ:まえがわ選手を見ていた感想をお願いします。
かなみ記者:応援がめちゃめちゃされていて人気があって、足がきれいで、すごかったです。
こうき記者:すごかったです。
まえがわ選手:ありがとうございます。うれしい。
かなみ記者:どれくらい前からパラ陸上をやっているんですか?
まえがわ選手:陸上はもう9年目かな。足を切って、もう10年。持ってみる? 足?(プシューッと空気が抜ける音がしてまえがわ選手の義足がはずれる)
こうき記者:うわっ、すごい!
まえがわ選手:重たいかも…いいよ、持っても。
かなみ記者:(持ってみて)重たい…。
まえがわ選手:これを足につけてふりまわさなあかんから、けっこうたいへんなんです。
こうき記者:これがカーボンファイバーですか?
まえがわ選手:そう! よく知ってるなあ。これ(義足)は3kgくらいしかないから、自分の足よりもたぶん軽いよ。
こうき記者:ここ(義足の中は)は(空間があいているのではなく)埋まっているのかと思ってた。
まえがわ選手:そこに足を入れなあかんから(笑)。ここ(義足のひざこぞうにあたり)にボタンがあるやろ?(足を入れて地面に押しつけると)空気が抜けるようになって、足が抜けんくなるんやけど。逆にボタンを押すと義足の中に空気が入って抜けるようになる。
こうき記者:よく考えられている!
まえがわ選手:(にっこりとして)なっ!
かなみ記者:義足をつけるときに、痛くはないんですか?
まえがわ選手:(体重が)ピッタリのときは痛くないんだけど、体重が増えてしまうとフチのところにお肉が乗ってきてすごいスレて痛かったり、反対にやせてしまうと義足に自分の足の下側にどんどんぶつかって痛いから、500gくらいの幅で体重をコントロールしてます。
こうき記者:毎回決めた量を食べないと、きょうぎができない?
まえがわ選手:そう。だから試合がない10月とかオフシーズンには爆食いして、ストレスを発散してます(笑)。
こうき記者:それで、そのあと食べたぶん、元に戻すんですか?
まえがわ選手:そうです。何カ月かかけてゆっくり戻していきます。
かなみ記者:走るときの指導は誰にしてもらっていますか?
まえがわ選手:最初の頃は高校で陸上部に入っとったから高校の先生に教えてもらっていて、今は男子の山本篤(あつし)選手がコーチをしていて、その人と一緒に大阪で練習しています。
子ども記者団スタッフ:最後に2人の記者にお話してもらいたいことがあります。パラ陸上選手になってまえがわ選手が手に入れた『宝物』はなんでしょうか?
こうき記者:自分の最高記録ですか?
まえがわ選手:うーん、そやなあ。でも、それ以上にやっぱ「人との出会い」が私にとって宝物かなと思っていて。海外の試合に行くと世界の選手と一緒に話したり、合宿したら一緒に生活して「日本ではこうやけど、外国ではこうなんや!」みたいな発見がいっぱいあって。それで自分がちょっとずつ変わっていくのが、一番の宝物かなって思います。
<取材を終えて>
かなみ記者:すごくきれいでかっこいい人でした!
こうき記者:義足を実際に持たせてもらって、少し重いなと思いました。まえがわ選手が義足に自分で絵を描いていたのが印象に残りました。
【澤田 優蘭(さわだ うらん)選手】100m T12
さわだ選手は6歳のときに視力と見えるはんいが少しずつせまくなっていく病気になり、今では1m前で動くものがなんとなくわかるくらいです。中学生のときにほんかくてきに陸上をはじめて、2008年の北京パラリンピックに走り幅とびと100mで「視覚障害(しかくしょうがい)」のクラスで出場しました。T12走り幅とび5m70cmの日本記録を持っています。東京2020パラリンピックでは、100mは準決勝でやぶれ、走り幅とびは5m15cmで5位になっています。また、新種目のユニバーサルリレー(障がいがちがう4人の選手がタッチで次の人につなぐリレー)で銅メダルにかがやきました。今回の大会では100mで1位になった さわだ選手を、はばら やまと記者と、つじた まそら記者が取材します。
やまと記者:ぼくは、さわだ選手のことを調べていて『目が見えない人はどんな感じか体験しよう』と思ってアイマスクをして走りました。そしたら電柱にぶつかって、大きなたんこぶができて、すごく泣きました。目が見えないのに走るのは、こわくないですか?
さわだ選手:はい。私はいつも走るときに今隣にいる塩川さんというガイドランナーが一緒にヒモを持って100mなどを走ります。塩川さんと一緒に走っているときは、絶対に安全に誘導してくれると信じてるので、走ってるときに怖さは感じません。
やまと記者:ぼくは夏休みにピカチュウのネイルをして、うれしかったです。さわだ選手のInstagramにもネイルの写真が載っていますけど、これまでのネイルの中で一番のお気に入りは何ですか?
さわだ選手:あー、難しい(笑)。一番のネイル…でも、いつもすごくこだわってネイルのデザインも考えてるんですけど、東京パラリンピックのときには日本の「和」と金メダルのイメージでネイルのデザインを考えたので、とても思い入れのあるデザインでした。
まそら記者:さわだ選手を調べていて、出場した種目ですごい成績を残していることがわかりました。出場した種目以外でも得意なスポーツや、やってみたいスポーツはありますか?
さわだ選手:そうですね。同じパラリンピックの種目で自転車きょうぎがあるんですけど、自転車きょうぎはやってみたいなと思っています。普段は自分 1人では自転車に乗れないので、きょうぎでやってみたいなって思います。
子ども記者団スタッフ:ありがとうございます。最後にさわだ選手から「パラ陸上選手になって手に入れた宝物」を子ども記者に教えてください。
さわだ選手:一番一緒にやっている塩川さんはもちろん、コーチであったり、トレーナーさんであっていろんな人に関わってもらって初めて自分がきょうぎをできるということを感じていますし「この人たちがいるからがんばれる」と思うところが本当に一番の宝物だなと感じています。
<取材を終えて>
やまと記者:動画で観てた人を、じっさいに生で見れてうれしかったです。インタビューは、ドキドキしていたら、さわだ選手の方から「こんにちは」と言ってくれたので、きんちょうがとけました。ぼくは目が見えない人と初めてお話ししました。だから、わかってもらえるように「折り紙で作ったお花です。」と言って手作りのお花を渡しました。大事に持ってくれてうれしかったです。
まそら記者:自転車きょうぎに興味があるとおっしゃっていたので、今後ほかの種目で出場するさわだ選手が見てみたいと思いました。
子ども記者団スタッフより
今回取材させていただいたパラ陸上選手のみなさんは、どの方も子ども記者に対してやさしく、真剣に質問に答えてくれていたのがとても印象的でした。実際にお会いすると、どの選手も動画で見るよりも何倍もかっこよくてやさしくて「人間としての生きる力にあふれている」と感じました。それはインタビュー内でも聞いた「パラ陸上選手になって手に入れた『宝物』」にも表れていると思います。
子ども記者団は、事前のオンライン打ち合わせを2回行い、当日に向けて入念な準備をしてきたものの、想定どおりにはいかないなかで、急きょインタビューすることになった人を調べて質問を考えたり、子ども記者団内で役割をわけて行動したりと、柔軟に対応することができました。取材日に向けて努力したことや、当日に考えて対応したことは、お子さんにとって、とてもよい体験になったと思います。
2024年は世界のパラ陸上選手を神戸で見られる!
今回取材した「WPA公認 第34回 日本パラ陸上きょうぎ選手権大会」は、パラ陸上のアスリートにとってはパリ2023世界パラ陸上の代表につながる、まさに「人生がかかった大会」でした。パラ陸上選手の大会にかけるエネルギーや実力を目の当たりにしたことは、子ども記者団のメンバーにとっても大きな刺激だったようです。さらに2024年には世界中からトップアスリートが集まって、東アジアで初開催となる神戸2024世界パラ陸上が開催されます。今回取材したパラ陸上選手をはじめ、実力ある日本や世界のパラ陸上のアスリートを日本で生で観戦するチャンス! ぜひ今のうちからいろいろな選手のことを知って、神戸へパラ陸上選手を応援しにいきましょう!
<今回取材をしてくれた子ども記者のみなさん>
おおしま かなみ記者(小学5年生・兵庫県)、きのした こうき記者(小学3年生・奈良県)、つじた まそら記者(小学3年生・大阪府)、はばら やまと記者(小学3年生・岡山県)
<インタビュー記事全文はこちらから>
https://future.iko-yo.net/interview/27653/
「未来へいこーよ」概要
https://future.iko-yo.net/
「未来へいこーよ」は、子どもの未来を考える子育てサイトとして、「子どもとお出かけサイトいこーよ」の姉妹サイトとして誕生しました。「未来へいこーよ」は、子どもたちの「生きるチカラ(非認知能力)=ココロのスキル」を育むための様々な情報や体験を提供しています。