アクトインディ株式会社(本社:東京都品川区 代表:下元敬道)が企画運営する、国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」( https://iko-yo.net )は、12歳以下の子どもを持つ全国の保護者247名を対象に、「興味のある科学の分野に関するアンケート」を実施しました。
【総括】
10月1日から2018年のノーベル賞の発表が始まる。毎年日本人の受賞者があるかどうかが話題になるが、ノーベル賞の受賞の話題が子どもたちの科学に対する関心を高め、次世代の科学者を育むことに貢献しているのは間違いない。今回のアンケートでは、ノーベル賞の発表を前に、子どもたちはどんな科学の分野に興味があるのか、保護者は子どもにどんな科学の分野に興味をもってもらいたいのかを聞いた。
12才以下の子どもたちに圧倒的に人気がある分野は生物分野。動物園や公園などに出かけて、実際に見たり触れたりしたことが興味をもったきっかけとしてあげられており、実物に触れる機会を子どもに持たせること、さらにそのことを親子で話題にしたり、疑問に思ったことを図鑑やインターネットなどで調べてみることで、子どもは科学への関心を深めていくと思われる。
星や地球、宇宙などの天体への興味も高い。天体に関しては子どもの性別による関心の差がなく、大人になってからも関心が高い分野となっている。アンケートでも実際に天体観測をしたり、親子で宇宙や星について話題にしたりしている家庭が多くあったが、皆既月食や火星の地球大接近、木星の新しい衛星の発見、人工衛星の開発など、天体に関する話題が頻繁にニュースになることも、親子で天体に関する興味を深めることに一役買っていると思われる。
保護者が子どもに関心を持ってもらいたいと思っている科学分野を聞いたところ、子どもの関心度では非常に低かった「環境問題、エコ」、「プログラミング」などが上位にあがり、昨今話題の「AIなどのデータサイエンス」も多くの保護者が子どもに関心を持ってもらいたいと思っている。しかし、これらは新しい分野であるせいか、子ども向けの、さらには保護者にとってもわかりやすい本や図鑑の類があまり多くなく、子どもに関心を持ってもらいたいと期待していても、子どもに説明する、もしくは一緒に知識や関心を深めていく手頃なツールがあまりないのが現状だ。今後の普及を期待したい。
一方、ドローンを含むリモコンカーや無人航空機に関心を持ってもらいたいと思っている保護者は11%程度しかいなく、世間一般での注目の分野である割には保護者の関心はそれほど高くない。落下事故などのマイナスイメージが先行していることもあると思われるが、今後、災害救助への活用や農業や物流手段などへの応用など、大きな可能性を秘める分野であるだけに、子どもや保護者向けに、イベントや活用事例や研究などの情報をもっと発信することが必要かもしれない。
【本リリースのポイント】
- 子どもの関心分野の上位5つが生き物の分野。天体も人気
- 興味を持つきっかけは実物に触れること。テレビ番組も子どもの関心を高めることに貢献
- 大人になると生き物への関心はやや低くなり、天気や人体、環境問題など、関心の幅が広がる
- 新しく子どもに関心を持ってもらいたい分野は環境問題やプログラミング、AIなどデータサイエンスなど。ドローンは不人気
【調査結果】
1. 子どもの関心分野の上位5つが生物の分野、天体も人気
「動物」や「海の生き物」「虫、昆虫」など、生き物に関する関心が高く、上位5位までが生き物に関する分野となった。子どもにとって、生き物は身近な不思議な存在であり、大いに好奇心を掻き立てられる対象なのだろう。
次いで「星や地球、宇宙など天体」が6位にランクインしており、今年も火星の大接近や皆既月食などの注目度が高い天体現象があったことも影響していると思われる。
一方、「プログラミング」や「AIなどのデータサイエンス」といった新しい分野は、調査対象が12才以下であることもあり、それほど関心はまだ高くないようだ。
「子どもは科学に関することに興味はない」が10%いるが、小学生以上に回答を絞っても4%程度は存在する。
子どもの性別で見ると、「鳥」や「動物」は男女での関心の差はほぼないが、「花や植物」は女の子、「虫、昆虫」「魚や海の生き物」は男の子の関心の方が高く、同じ生き物分野でも男女差が見られる。
さらに、「恐竜など古代の生き物」「自動車や電車など乗り物」「ロボットや工作」「ラジコンカー、ドローンなどのリモコンカーや無人航空機」では、女の子ではそれほどではないが、男の子の関心の高さが際立って高いのが特徴である。
2. 興味を持つきっかけは実物に触れること。テレビ番組も子どもの関心を高めることに貢献
どんなきっかけで現在関心のある科学分野への興味を持ったかを聞いたところ、「動物園や水族館、博物館などで実物を見て」「公園、海、山などの外遊びを通して」などが上位にきており、自然体験や実物が見られる施設での体験を通して多くの実物に触れさせることが、科学への関心を深める最初の一歩となっている。
また、「テレビ番組を見て」も40%と多く、画像や動画が豊富に使われ、親しみやすく解説されたテレビ番組は子どもにとってもわかりやすく、科学に対する関心を高めることに一役買っているようだ。
科学に触れるイベントや施設へ行くという子どもは行かない子どもよりも、ほぼどの科学分野に関しても関心が高く、反対に「行かない」という子どもでは「科学に関することに興味はない」という回答が18%もいる。関心がないから科学に触れるイベントや施設に行かないとも考えられるが、前述の科学分野に興味をもったきっかけの多くが、「実物を見て」であったことを考えると、子どもの科学への関心の扉を開けるためには、子どもに科学の面白さに触れさせる機会を作ることが有効だと思われる。
3. 大人になると生き物への関心はやや低くなり、天気や人体、環境問題など、関心の幅が広がる
保護者である大人にも、関心がある科学分野を聞いたところ、子どもの関心が生き物分野に寄っているのに対し、保護者の関心は、それ以外の「天体」「天気や気象」「人体」「環境問題、エコ」など多岐に渡る。環境問題などは、大人になってからこそ課題への危機感から関心が広がる分野といえるだろう。
4. 子どもに関心を持ってもらいたい分野は環境問題やプログラミング、AIなどデータサイエンスなど。ドローンは不人気
保護者が子どもに関心を持ってもらいたいと思っている科学分野では、子どもの関心度では非常に低かった「環境問題、エコ」、「プログラミング」などが30%以上となり3位、4位に浮上している。また、AIなどのデータサイエンスも22%で非常に多く、世相を反映した形となっている。
一方、ドローンを含むリモコンカーや無人航空機に関心を持ってもらいたいと思っている保護者は11%程度しかいなく、話題の割に低い数値となった。
5. 子どもが好きな科学に関するテレビ番組や本(自由回答)
【図鑑や本】
- 小学館の図鑑NEOシリーズ、プレNEOシリーズ(小学館)
- ざんねんないきもの事典(高橋書店)
- 空想科学読本(空想科学研究所)など
【テレビ】
- ミミクリーズくりーず(NHK Eテレ)
- しぜんとあそぼ(NHK Eテレ)
- ミクロワールド(NHK Eテレ)
- 考えるカラス~科学の考え方~(Eテレ)
- ピタゴラスイッチ(NHK Eテレ)
- ガッテン!(NHK総合)
- ダーウィンがきた!(NHK総合)
- 天才!志村どうぶつ園(日テレ)
- 所さんの目がテン!(日テレ)
- でんじろう先生の出演する番組(番組名不明)
- YouTube
6. 最近、親子で話題になった科学に関する出来事(自由回答)
- ドローンの農薬散布 JAの支店祭りで展示してあり、実物を見た事で興味を持ち、話題になりました。(9才の男の子/7才の女の子,3才の男の子のママ)
- 祖父から望遠鏡を買ってもらっていたこともあり、皆既日食の話。(7才の男の子のパパ)
- アレクサを購入。日常的にAIにふれ始めた。(10才と7才の女の子、4才の男の子のママ)
- 火星の大接近と流星群(流れ星)には興味がありジッーと空を見上げてました。(3才と0才の女の子のママ)
- TVを見て、なんで外来生物は日本に来ると最強生物になるのか? 日本在来生物でも勝っているものはないのか?など(8才の男の子、7才の女の子のママ)
- 木星の衛星が新たに12個見つかった。その中の1つが変わり種だった。(11才の男の子、9才の女の子のパパ)
- eスポーツがオリンピック競技になるかも、、、な話題(6才の女の子のパパ)
- 大きな烏賊について話しました。(8才の女の子、3才の男の子のパパ)
- コーラにメントスを入れると爆発する実験(6才の男の子のパパ)
- 探査機はやぶさの話題。地元の会津大学が研究に参加していて、小学校に講演に来たりしたので。(11才の女の子のママ)
- 住宅展示会に行ったときに、断熱材のことについてすごく興味があったようでその辺のことの話題になりました。(12才,9才の男の子のパパ)
- iPS細胞の治験が開始されたこと。(12才の男の子のパパ)
- 映画「ジュラシックワールド 炎の王国」を見に行った感想。また、そこに出てきた恐竜について図鑑で一緒に調べた。(4才の女の子のママ)
- A Iの将棋。テレビでみてすごいねと話しました。(9才の女の子のママ)
- 自然災害で停電があったので電気の仕組みについて話した。(12才と10才の男の子のママ)
アンケート概要
【実施方法】 「いこーよ」サイト上で実施
【回答者プロフィール】 12歳以下の子どもを持つ保護者
【実施期間】 2018年9月3日~2018年9月18日
【有効回答数】 247名
※調査データを引用・転載の際は「子どもとお出かけ情報サイト『いこーよ』調べ」とクレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。