パパ力で子育てがもっと素敵になる!? ~パパの子育て参加のススメ♪~

こちらはactindi Advent Calendar 2019( https://adventar.org/calendars/4204 )、20日目の記事です。
アクトインディ株式会社いこーよ四季冒険部担当の石川大晃です。
当社は、社員の大切にしたいことを大切にしてくれる会社で、自分のわがままも受け入れて頂き、現在上記の担当もしながら、保育園で男性保育士として働かせて頂いていたり、大学との子育てに関する研究もさせて頂き、とても充実した日々を過ごしています。そして、実はこっそり今年の3月に鳥取大学の紀要に論文を一本投稿(https://repository.lib.tottori-u.ac.jp/ja/6326)したこともありそのPR、そしてそれを入り口に自分がしている事を少しづつでも紐付けていく為に、今回「パパと子育て」をテーマに書きたいと思います。実際パパではないですが、私ならではのいろいろな視点から、パパの子育て参加を少しでも後押しできる内容にできればと考えています!

【第1章】パパ、パパ! ママは本当に大変なんです・・・
 ~地域学的切り口から見えてくるもの~

すこし昔は、子育ては血縁や地縁等いろいろな大人のサポートが身近にあったり、子供たちも異年齢の子どもや大人と自然に関わりながら豊かに育つ土壌ができていました。でも、平成30年国民生活基礎調査(厚生労働省)によると核家族の割合が子育て世帯のうち約83.3%を占めており、生まれ育った場所と、結婚して子育てを行う場所が離れてしまっている今どきの孤立しやすい子育てを表しています。更に同調査によると、ママの約72.2%が「仕事あり」と答えるようにママの社会的進出が増えているものの、平成28年社会生活調査(総務省)によるとパパの1日の育児にかける時間は平均16分に対してママは平均56分で3.5倍となっています。また、家事について見てみると、パパは1日あたり平均15分に対してママは平均3時間16分となっており、共働きが増えているものの依然としてママの家事や育児にかける時間が多い事がわかります。このように, 血縁・地縁的の支えが希薄になり, 共働きの増加により子どもと関わる時間が少なくなる中、ママが子どもとのコミュニケーションを通じて、ママとして子どもに価値観を伝授するプロセスには効率性が求められるようになっており、その中でのママの悩みが絶えないものになっているように思います。

だからこそパパが子育てに関わる意味を一緒に考えていきたいです。

【第2章】子育てへの効率化の弊害
 ~ママと子の会話研究から見えてくること、男性保育士として思うこと~

ママと子のコミュニケーションの一例として、遊びの中での3歳児との会話に焦点を当てた自身の修士論文をとりあげます。結果、多くのママは特に男児に対して「指示」や「発問」のようなトップダウンの言葉がけが無意識に多くなっている傾向が見えてきました。このような関わりは、子どもの実態とズレが起こりやすく、「親の子どもへの育ちの期待」が「子どもの実際の育ち」とつながりづらい事から、ママが子育てへの不安や困難さを日常的に感じる機会を増やしていると言えます。そして、このような会話の傾向が行き過ぎると子どものやる気や挑戦する力を削いでしまったり、育まれるものも育まれなくなってしまいます。なのでまず、パパはママに寄り添い共に子育てを良くする存在である事が大切だと思います。もう一つは、パパももっと自信を持って子供へ積極的に関わり続ける事が大切だと考えています。男性保育士という立場から子どもを見ると、女性の保育士と違う発見ができたり、違う関わりができたりする中で、子どもたちがより豊かに育つ事もあります(勿論その逆もあると思います)。大切なのは、正解のない子育ての中でパパ目線もママ目線も両方大切にしながら、共に考えたり、それぞれが関わる事が子どもの育ちをより豊かにしてくれるということです。

そう考えるとパパの力って、とっても大切ですね♪

【第3章】パパ力で子育てがもっと素敵になる!
 ~いこーよ四季冒険部の可能性~

パパが子育てで力を発揮してくれることで、パパもママもお互い足りない部分を補い合え、家族の子育てをもっと素敵にしてくれる可能性を秘めています。といっても、パパもママも同様に仕事しながら常に意識し続けるのはなかなか大変です。そんな時、私はパパもママも子供も共に喜びを自然と共有できる機会を作ることがとても大切な気がしています。私が担当している「いこーよ四季冒険部」は、主に都内に住む親子に普段できない自然体験をして欲しいと思い、四季折々のいろいろな自然体験を実施しています。そのような非日常体験の中では、家族が喜びを自然と共有できる機会が増え、親子の会話の質が上がるのではないかと考えています。特に自然体験になってくるとパパの活躍する場面も多いので、日常生活に比べ、パパがきっかけに親子の会話の質が上がる場面が増えてくるかもしれませんね!

ご興味がある方は「いこーよ四季冒険部(https://iko-yo.net/topics/bouken)」是非チェックしてみてください!!

今年も残り2週間を切ってますね。素敵な年末年始をお過ごし下さい。それでは!

<参考文献>
・石川大晃・田中大介. (2019).「親として育てられる」社会的枠組みの重要性とその再構築の試み. 鳥取大学地域学部紀要, 第15巻3号, pp51-62

・石川大晃・佐治量哉. (2019). 日本赤ちゃん学会・第19回学術集会. 乳幼児期の自己効力感発達 ~養育者・保育者の会話(SP/SI率)と男児の手指の連合運動の変容からの検討~、ポスター発表

・石川大晃. (2017). 3歳児における微細運動能力の変容. 玉川大学大学院脳科学研究科(修士論文). 東京:玉川大学 

・厚生労働省. (2019). 平成30年国民生活基礎調査. 厚生労働省. Retrieved from https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa18/dl/02.pdf (2019年12月20日)

・総務省. (2017). 平成28年社会生活基本調査 . Retrieved from https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou2.pdf (2019 年12 月20日)